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ほとんど更新しない備忘録ブログ

初めての転職活動 備忘録

新卒以来そこそこ長い期間勤めていた企業から退職を決断し、転職活動というものを初めて経験したのでメモを残そうと思います。

 

■転職のきっかけ

うちの会社は良くも悪くもユルい社風だった上に、リモートワークや副業可、オフィスカジュアルやスーパーフレックスなど働きやすさに関わる制度は先進的に取り入れてくれてました。なので趣味兼副業のクリエイティブな活動やVTuberごっこなどと大変相性が良く、幸い人間関係も不自由なく、そこそこ評価もいただいていたので、細かな不満は数あれど辞めるほどの理由は無くのびのび働いていました。

しかしながら私の所属する部署(いわゆる社内SEポジション)のトップが変わったことをキッカケに稼働率が激増し、最たる魅力である「趣味・副業との相性が良い」という根本的な部分に陰りが生じてしまいました。

それに伴い、今までなら「一長一短だよね~」という気持ちで飲み込めていた細かな不満(例:業務内容に飽きた、評価制度に平等性を感じない、将来こうなりたいと憧れられるような人が周囲に少ない、逆にコミュニケーションコストの高い尊敬できない同僚が多い 等)も無視できなくなってきて、「さっさと転職しよう」という考えに至りました。幸いフットワークは軽く行動力はある方なので決めてしまえば実行は早かったです。

あと、新入社員OJTを担当して以来ずっと仲良く一緒に働いていた後輩の女の子の異動が決まったことで勤労意欲が大暴落したというカスみたいな理由にも起因します。(愚か)

 

■結論

結果としては第一志望から内定を頂き、待遇・報酬・勤務条件・働きやすさ等どれを取っても満足しています。ただし実際に入社するのは夏ごろなので、今回の転職が成功だったのか失敗だったのか本質的な結果が出るのは将来の話です。とはいえ、少なくとも私自身は現状において、かなり納得のいく満足な内定承諾をしたと思っています。

 

■全体スケジュール

転職活動開始から退職交渉まで約2ヶ月弱でした。

  • 転職を決断(n-1月)
  • ビズリーチ・各社転職エージェントへ登録(n月) ←転職活動開始
  • 応募・書類選考・面接(n+0.5月)
  • 内定・退職交渉(n+1月)

だいたいこんな感じです。

幸いスムーズに内定を得られたので、そこそこ早い方かもしれません。そうは言っても対策はこれでもかと入念に行い、精神的にも心休まらない日々が多かったので、非常に濃密な期間ではありました。(決してサクっと終えたわけではない)

あと、僕の場合は「ボーナスを貰ってから辞めたい」という気持ちがあり、あまりにも早く内定を貰いすぎると今度は入社日の交渉に苦心すると思ったので「いつから応募を始めるのか」という点も気をつけました。

 

■準備編

「転職活動って具体的に何をすればいいの?」という点に関しては、転職YouTuberとして有名なサラタメ氏の以下動画一本で全て完結しました。基本的にこれ通りにやれば大きな失敗はありませんでした。

ちなみにサラタメ氏の動画はどれも面白いのですが、転職活動においてインプットしておくべき情報としては正直この一本だけで十分だと思いました。(面接というのはリアルタイムなコミュニケーションなので、座学のインプットを増やしてもあまり有効打にはならない。)

下調べは以上で、いよいよ行動に移します。

 

■履歴書・職務経歴書 作成編

履歴書のためにめっちゃ久々にスーツを着用して証明写真を撮りました。

僕の場合は駅とかによく設置されているスピード撮影ボックスで済ませました。


「第一印象は大事。写真で印象が変わって書類通過率に左右する可能性もある。」という考え方はあながち間違いではないと思います。しかし最近の撮影ボックスは美麗モードやスマホに画像データを転送してくれるサービスなど、高品質な機能が搭載されており、技術の進歩により自動撮影でも遜色がなくなったので「もうこれでええやん」と判断しました。

履歴書・職務経歴書の具体的な書き方は各種転職サイトの雛形などから学びました。特に職務経歴書は近所のタリーズに毎日引きこもって推敲を重ね、経歴・実績などに加えて「プロジェクト上で自分自身が思考を巡らせた点」を端的に補強することをより心がけました。

 

■各種サービス登録編

利用したサービスは以下の三点です。

まずビズリーチはよくCMで宣伝されている通り、企業から直接スカウトが届くサービスです。全ての転職活動者がとりあえず登録しておくべき安定択と思います。

ただし「スカウト」という言葉から、まるで面接で優遇されるかのようなイメージを持ってしまいがちですが、「スカウト」は「広報活動」と何ら変わりないので「うちに応募してみませんか? ただし、自主的に応募してきた方々と選考フローは何も変わりませんけどね」という宣伝メッセージが届いてるだけと解釈した上で利用しました。その点の認識を誤りさえしなければ、非常に有用なサービスでした。

そして転職エージェントは(言い方が悪いですが)担当者のハズレを引かないためのリスクヘッジとして二社に依頼しましたが、結果的にどちらのエージェント様もご丁寧に対応いただき、大変満足しています。二社だけでも日々の業務連絡等なかなか大変だったので、仮に三社への並列登録をしていたら僕にはちょっとキツかったなと思います。

ちなみにJACには知性的でロジカルな方が多く、マイナビには若くて親身な方が多い印象を個人的には受けました。(接した方の母数が少ないので、実際の傾向と一致するかどうかは不明)

結果的に上記3社が、多すぎず少なすぎず利用しやすかったと感じます。

 

■応募・書類選考編

応募企業を選定するにあたって「会社四季報 業界地図」を買いました。

実際役に立ったかと言われると…ちょっと謎ですが、パラパラとページを捲って「こんな企業があるんだな~」ってだけでも大変楽しくて、転職活動自体のモチベーションも上がったので買って良かったと思っています。(業界の未来予想は話半分に読んでました)

応募は「是非とも入社したい」と思える企業だけに厳選したので、片手で数えられるかどうか程度の応募数でした。

新卒では縁がなかった名だたる企業に応募しましたが、存外そういった企業からも書類通過いただきました。その時初めて「これまで現職で頑張ってきたことがちゃんとスキルアップに繋がっていて、知らず知らず自身の市場価値を高められていたのだ」という客観的な実感を得られたため、とても嬉しかったです。

自社の中だけでは自分の市場価値なんて知る由もありませんが、少なくとも私の経歴や実績を社外の方々が見ても「会ってやってもいいかな」と思ってもらえたという事実が自信に繋がりました。

 

尚、このあたりの書類作成・企業分析・応募など事務作業全般を行っている間はずっとNiziUのMemoriesを聴いていたので、Memoriesを聴く度にタリーズで延々と対策していた日々を思い出します。

 

 

■面接編

面接の時期になるとすっかりYouTubeのおすすめ欄が「面接で◯◯を言っちゃう人、お見送り確定です!」みたいな、伏せ字サムネイルでクリック率を稼ぐありがちな動画で溢れかえり、それにまんまとハマりまくって大変不毛でした。実際のところは先述のとおり面接はあくまでコミュニケーションであって、何かキラーワードを発することで採用されるわけでもなければ、質問に対して「正解」が存在するわけでもありません。

というか、そもそも面接はこれまで培ってきたスキルを示す場なので、表層的な対策に気を取られるよりもこれまでのキャリアで自分が何を頑張ってきたのか、という実績面を何度も何度もを棚卸するほうが遥かに生産的でした。あとは、明るく振る舞う・結論から話す・質問の意図を正しく汲み取る・実体験や根拠に基づいた回答をする あたりを心がけました。もともと論理的な思考にはかなり自信があったので、面接は堂々と臨めました。

そうは言ってもやはり一度目の面接は緊張したし、全く脳内シミュレーション通りに行かなかったので、一番の特効薬は「実際に受けてみる」だなと痛感しました。(新卒採用と同じく、中途採用でも第一志望を最初に受けるのはやめたほうが良いかもしれません)

 

あと、ちょうど面接の時期にリリースされたNiziUのSweet Nonfictionにめちゃくちゃ勇気を貰いました。Memoriesしかり、僕の転職活動において無くてはならない大切な二曲になりました。推しがいるというのは、かくも心の支えになるのであるな…

 

僕が内定を頂戴した企業は書類選考→SPI→一次面接→二次面接→最終面接というそこそこしっかりした工程がありましたが、面接の結果はその日の夜には届きましたので、そういった判断のスピード感もまた入社意欲に繋がりました。

 

■総括

転職活動、想像以上にハードでめっちゃ疲れました。

恐らく僕は人一倍に準備・対策したと思います。お陰様で納得の行く結果は得られたし、何よりこの転職活動を通じて得たものとして、僕のスキルが他の企業にも通用するという客観的な自信に繋がったのは大きかったです。

今まで「キャリアプラン」だの「キャリアアップ」だの、意味はフワっと理解してるものの具体的にどういうことなのか全くイメージが付いていませんでしたが、それらを体感的に知ることが出来ました。私の場合は、たまたま現職で一心不乱に頑張っていたことが結果的に運良くキャリアアップに繋がってたから良かったですが、別に若いうちから意識的に「どこにでも通用する人材になるぞ」とか「市場価値の高いスキルを身につけるぞ」と計画を立てていたわけではないので、本当に結果論というか、たまたま命拾いして良かったと痛感します。転職が売り手市場でDX人材や中途採用を手厚くしていたことも大いに追い風になったと思います。本当に運が良かった。

年下の方々には是非、僕のようないきあたりばったりなキャリアを歩まぬよう、5年後10年後どのようになっていたいのかを定期的に棚卸していただければと、反面教師にしてもらいたい所存です。(ちなみにキャリアアップって結局何やねん?という疑問については以下の動画が大変明瞭だったのでオススメです。)

 

そして全く新たな環境で働くことに際し、もはや何年ぶりかもわからない「仕事に対してワクワクする」という実感も得られております。そういう意味では転職に踏み切って本当に良かった。でも疲れました………

ひとまず現職で過ごす残り数ヶ月に関しては、余生だと思ってのびのび最低限の業務をこなしつつ有休を全消化して、悠々自適に過ごそうと思っています。(丸々1ヶ月半以上も休むなんて大学生以来で何すればいいかわからない……)

 

<おまけ>

転職中に見つけた面白いチャンネル。

コンテンツとして楽しいし、転職活動終わってもずっと追ってます。

山崎元さんの訃報を受けて

日経新聞にて山崎元さんが亡くなられたことを知りました。

山崎元さんが死去 経済評論家 - 日本経済新聞

どこまでも客観的な視点で感情論を排してロジカルを突き詰めたような思考が聡明で尊敬していたし、論理的で理屈の通った著書からは沢山のことを学びました。また、僕の資産運用における投資手法は完全にヤマゲンさん譲りで形成されているといって過言ではありません。

 

食道がんを患われてたのは過去にトウシルで拝読して認識していたものの、快方に向かわれてるとばかり思っておりました。

山崎元、癌になってみて考えた。「どうでもいいこと」と「持ち時間」 | トウシル 楽天証券の投資情報メディア

当時の記事では、まるで死をも恐れていないかのようにさえ感じさせられる徹底した客観視に、畏怖を感じたものでした。出来る限り苦しむことなく安らかに逝けたことを祈るばかりです。

心より、ご冥福をお祈りいたします。

自分の昔の作品を振り返ってみる

なんか急に自分の作品を見漁ってたら懐かしくなってきたので、当時の記憶と今みた雑感を振り返ります。

 

ラットが死んだ(2013)

FRENZ 2013に出展し、二日目夜の部のトリ一つ前に上映いただいた作品。

制作期間も他と比べて圧倒的に長く、歌唱者の島爺氏のお陰もあって知名度も高く*1、名実ともに僕の代表作。10年経った今見返しても当時の自分はよくやったと思う。

制作期間は4月から9月の半年間。更に原曲で引用されている海外文学「ペスト/カミュ著」を読破するのに数ヶ月。なので総合して9,10ヶ月くらい?拙い画力をカバーするように試行錯誤を繰り返しつつ、工夫と物量でなんとかした映像。普段は完成に1ヶ月かけることがほぼほぼ無い自分としては異例の作業期間・作業量。

当時の僕はmaxcaffyさんという映像作家を師と仰いでいて、彼は「神は細部に宿る」を体現し、文字通り「映像に魂を注ぎ込む作風」をお持ちだった。故に、自分もかくありたいと感じていたために、工数を度外視することで出来た作品が本作である。*2

maxcaffy氏の作品はほとんどオンラインに残されていないので2010年の作品にはなりますが唯一残ってるこちらを紹介します。(※投稿者は作者ではありません。無断転載を紹介するのはどうかと思いますが、本当にこれしか残っておらず…)

 

テトロドトキサイザ2号(2014)

FRENZ 2014に出展し、二日目夜の部のトリを飾らせていただいた作品。

当時は意識していなかったが、今思えば「僕の強みがエンターテイメント性にある」ということを自覚するキッカケになった作品かもしれない。とにかくラスサビ前の間奏がお気に入りで、音同期の気持ちよさやラスサビの開放感などは今見ても好き。相変わらず、画力だけは残念だが…画力がないクセに絵を主体とした映像ばかり作ってるせいでクオリティが頭打ちなのは自覚している。

本作の楽曲は言わずと知れたギガさんによるものだが、本年のFRENZにはたまたま同ユニットの映像クリエイターであるお菊さんが同じ部に出展していた。そしてお菊さんがギガさんを連れてきていたので、僕の二次創作を作曲者本人に直接見ていただくという奇跡が発生した。上映後にお菊さんがわざわざ僕のもとへ来てくださり、お話できたのも嬉しかった思い出。

余談も余談だが、この年から付き合いたてだった彼女に対して「僕は映像を作っていて、毎年FRENZという上映イベントに参加していて、そのイベントは僕にとってとても大切だから、1,2ヶ月くらい映像を作るために会えなくなるけど、ごめんね。」と言って作業に集中したことをうっすら記憶している。本当に酷い。「試合が控えてる」とか「演奏ライブが控えてる」とかならまだ理解してもらえるかもしれないけど、「映像上映イベント」て。得体が知れなさすぎだろ。聞き分けが良すぎる子だったので協力してくれたけど、当時フられなくて本当に良かった。(その子と結婚しました)

 

drop pop candy (2015)

FRENZ 2015に出展し、二日目深夜の部の第4部トップで上映いただいた作品。

本作にはあまり良い思い出が無い。所感としては、2014年に作ったテトロドトキサイザ2号から進化も変化もない作品になってしまったなという印象。それだけなら自分の中の反省だけで済むけれど、2015年のFRENZは杉本くんの怪作「映像制作を助けてくれ」が上映された伝説の年だった。閉幕後は誰もが口を揃えて「映像制作を助けてくれ」の話しかせず、僕の作品に言及してくれる人なんてただの一人も存在しなかった。本当に悔しくて、数日ほど実家に帰省して頭の整理をしたくらい悔しくて、来年は自分が主人公になってやると強く決意した。

ただ唯一この作品に対して残っている嬉しい記憶は、ぬるてまが上映直後に「こんな可愛い作品を作れるなんてズルい」と言って泣いてくれたこと。最近になってようやく久しぶりに見返したけど、例によって画力はともかく、全然悪い作品ではないなと思えて良かった。

 

きよし、この夜(2016)

FRENZ 2016に出展し、全作品の大トリで上映いただいた作品。

(WEB公開終了)

「創作」そのものをテーマへ掲げることに挑戦した作品。明確に昨年のリベンジでもあり「映像制作を助けてくれ」へのアンサーでもあり、自主制作讃歌でもある。

FRENZ 2016の大トリを飾ることとなった本作は上映後に万雷の拍手に包まれ、その力強い拍手があまりにも長い時間鳴り止まなず、司会のやんわり氏が進行のために制止せざるを得ない状況だった。前田地生は隣で鼻をすすっていた。僕はそれらの光景を登壇前の舞台袖から眺めていて、あまりの嬉しさに口を押さえながら半泣きになった。上映後、二階席にて脱力した気分で休んでいたらyama_koさんに呼び出され、なんと二階席の入り口付近に「僕へ感想を伝えるための長蛇の列」が作られていた。

正直、画力は相変わらずで作品のクオリティとしては大したものではなく、ただあの場所で、このテーマで、拙いながらも僕が真摯に向き合ったことで、多くの方の心に届いたのかなと自負している。あとは僕の大好きなアーティストであるRHYMESTERの楽曲があまりにも良すぎるというのもあったと思う。

「映像制作を助けてくれ」は本業と自主制作の二足草鞋による辛い部分をあるあるネタとして抽出しながら、あまりにも過剰でマッドな作家性へ結びつけることに成功した快作だ。だったら僕は「それでも自分達が創作と向き合うのを辞めない理由」を真っ向から表現してやろうじゃないか! という魂胆がこの作品にある。

そうはいっても作品を見返しながら、「今思えばいくらなんでも杉本君にファイティングポーズを取りすぎでは?」と思い、笑ってしまう。ここまで来たらもう当てこすりである。ただ自分の中で去年のリベンジは見事成功して、あらゆる心の柵(しがらみ)を清算することが出来たのは良かった。*3画力は相変わらずお粗末なものだが、久しぶりに見返した本作は記憶していたより何倍も魅力的な作品だと思えた。ちなみに、僕が前年に「杉本ぶっ潰す」と神に誓ったように、翌年の初詣にyama_koさんが「ネガクズぶっ潰す」と神に誓ったというエピソードを耳にして、震えた。

 

超宇宙意思(2017)

FRENZ 2017に出展し、二日目深夜の部の第4部トップで上映いただいた作品。

2016年に全てをやりきった僕が翌年に拵えたのはエンターテイメント極振りの映像だった。正直、第1回から全ての部に足を運んでいる僕の記憶の限り、FRENZ史上、会場が一番盛り上がったのはこの映像が上映された時だと思っている。もう、笑い声とか手拍子とかは当然のことながら、サビの部分なんかは皆もう「うおおおおおおお!!!!」とか雄叫びをあげていた。上映中なのに。

ただ当の本人である僕はこの作品の直前に上映された機能美pの「平面惑星」という名作に心打たれてずっと余韻に浸っていたかったので、大盛りあがりの会場に対して「お前ら機能美pの余韻を潰すなよ!!!!」という気持ちになっていた。壇上でも話したかったテーマ等はすっかり頭から抜け落ちて機能美pへの謝罪に終始していた。

某氏が「そこは『機能美pより圧倒的に俺の作品のほうが偉い』でしょ!」と僕に言っていたが、今思えばそのスタンスのほうが格好良かったなとは思う。っていうか、自分の作った作品であんなに沢山の人が大狂乱の大盛りあがりをしてくれるという贅沢な上映体験、本来なら「気持ちいい~~~~!!!」って感じだったろうにもったいないことをしたなとは思う。ただ機能美pの平面惑星はそれくらい本当に良かったんです。

尚、その後楽曲を拝借したwebnokusoyaroが本作を大変気に入ってくれて公式コラボを何度もする仲になり、今ではすっかり飲みに行く大の仲良し・マイメンと化していて、そういった意味でも本作を完成させた甲斐があるなと思う。

 

回る秋うさぎ(2018)

FRENZ 2018に出展し、二日目深夜の部の第4部トップで上映いただいた作品。

この作品に関しては当時別記事で嫌というほど語り尽くしたことがある。

ひとつエピソードを付け加えるなら、沼田友さんという映像作家さんのブログにて毎年「感銘を受けた作品選」という記事が年末に公開されるのだが、2018年の記事で本作が掲載されていたことが大変嬉しかったのを覚えている。だって、沼田さんって物語を深く深く掘り下げるのを得意とする作家さんで、僕のように表層的な部分だけを華やかにする作風なんて見向きもしてもらえないと思っていたから。(自虐が過ぎるかな?)

とにかく嬉しかったです。

 

以上、そんなところです。長々とありがとうございました。

 

*1:YouTubeで500万再生突破、ニコニコ動画で450万再生突破。

*2:「当時は」と記載はしたものの、無論今でも氏のことを憧れ続けてはいる。ただ現在の僕は映像に対して効率を追求する傾向にある(例:10時間かけて100点のものが作れるとして、2時間で90点が取れるなら2時間の手法でも良いと考える)。その思考はあまりにも氏のスタンスと異なるため、今の自分が彼を師と仰ぐのは無礼かと思っている。ちなみに今でもかなりの頻度で通話したり遊んだりしている。

*3:杉本君とは今でも仲良くさせてもらってて、VTuberフィンダーおじさんの生みの親としても度々お世話になることをこの時はまだ知らない。

歴代FRENZ出展作品の年別ベスト

初代から最新まで全ての部に現地参戦した僕による歴代FRENZベストです。

当然ながら自分の作品は除きます。

 

FRENZ (2009):リナリアの花/Ao

FRENZ 2010:謎謎MV/まっくすかふぃ

FRENZ 2011:ねがいごと/yama_ko

次点:SleepyDance/84yen

FRENZ 2012:爆心地MV/maxcaffy

次点:月は無慈悲な寄席の女王/機能美p

FRENZ 2013:世界の終わり 死の魔法/maxcaffy

次点:義足のMoses/ががめ STAGER/misokabocha

FRENZ 2014:ピアノレッスン MV/かえる と やもり

次点:キミトトク/maxcaffy

FRENZ 2015:sideB:Rain/Twilight_ks

次点:二日目深夜の部OP -TAKE OFF-/機能美p 映像制作を助けてくれ/杉本君 

FRENZ 2016:ぼくのうち/ぴろぴと

次点:cloudland/すす泥棒

FRENZ 2017:平面惑星/機能美p 運命の人 MV/maxcaffy

次点:FOLLOW ME/misokabocha

FRENZ 2018:釈迦の左手/84yen

次点:宵のクオリア/***

FRENZ 2019:MAKE IT FUNKY NOW/misokabocha

次点:煩悩事変/機能美p

FRENZ 2022:Little Red Riding Hood/84yen

次点:1日目夜の部オープニング -DEPARTURE-/覇王樹

FRENZ 2023:稲荷遊技場/多田文彦

次点:ユメノナカ/熊谷芙美子

 

 

毎年とんでもない量の魅力的な作品が誕生するので「その年の一番を決める行為」は不毛でしかないのだが、オタクが誰に頼まれてもないのにうんうん頭を悩ませながら苦渋の選択をするのはとても楽しい嗜みなのである。結論、いずれの年も微々たる差であり、やっぱり一番なんて決められっこないよね という話である(不毛だ…)

尚、2017だけは本当に選べなかったので勘弁していただきたい。甲乙つけるくらいならこの企画ごと爆破しようというくらい選べませんでした。オールタイム・ベストを選ぶなら多分2010「謎謎MV」か、2017の両作。

 

以降、毎年ひっそりこの記事を更新していこうかと画策中。

FRENZ 2023 全通レポ

こんにちは。

今年も映像上映イベントFRENZに参加&出展してきましたので、記憶が鮮明なうちに当時感じたことなどを記録いたします。尚、昨年同様、個人名を割と遠慮なく出していきますがご了承ください。(全体的に「とある人が」「某氏が」ばっかりになっちゃうと意味不明な記事になってしまうため。)

昨年の記事はこちらです。一年越しに読んでみたら端的に当時の記憶や感情がまとめられていて、去年の自分はいい仕事をしたなと自画自賛しております。

なお、この記事はあくまでイベントの雰囲気や体験についての記録であり、上映作品自体の感想は5時間かけて84yenと全作品とも語り尽くしましたのでそちらをご覧ください。それにしても、5時間は流石に物理的な限界を感じる。来年はやらないかもしれないし、やるにしても何らか工夫しないと無理だと思います。

 

イベント当日まで

当たり前のことといえば当たり前なのですが、かれこれずっと締め切りを守っています。なので、近年の自分は最終提出してからイベント当日までには1,2週間ほどの余白期間があり、僕はだいたいその期間を活用して「制作中に我慢していたことを解放するフェーズ」に使っています。

今年で言えば、髪をなかなか切りに行けてなかったので散髪のついでにヘッドスパまでお願いしたり、歯医者で歯科検診を受けて虫歯ゼロにテンション上がったり、ぽこピー展へ遊びに行ってモチベを貰ったりしてました。あと、本業のほうでトラブルが発生して久しぶりに徹夜対応になってしまい、割とそれも堪えました…。週末に楽しみが控えていたからなんとか精神を保てましたが、楽しいイベント直前にラスボスのような形で勝手に立ちはだかってくるのは本当に勘弁願いたかったです。

 

一日目

 前日、ぬるてまと覇王樹の三人でDiscord繋ぎながらスマブラSPのネット対戦をやって、3時くらいに就寝、8時に起床。なんか去年も似たような感じでした。何の準備もしていなかったので、チケットの確認や名刺の用意など慌ただしく場当たり的に身支度。毎度のことながら、開場時間ではなく開演時間を到着目安にして出発するのが良くない。人身事故による電車遅延も相まって、今年は本当にオープニングに間に合わない可能性がありました。危なかったです…

 

一昼

・なんとか開演の5分前に到着。入り口にはすっかり誰もおらず、例によって直接二階席へ。二階席は「スピーカーが背面にしか存在しない」「画面にデカデカと手すりが被る」「そもそも舞台が直接見えない」等の劣悪な理由によってオフィシャルには席としてカウントされていないっぽいのですが、僕らのような古参は新規ファンに良い席を譲るため積極的に2階席へ行くのです。涙ぐましい。

・そうは言ってもメリットもあって、何より「ギリギリに入場しても必ず席が空いている」というのが最高。今回も電車遅延で大遅刻カマしたけど全く問題になりませんでした。あと空間が閉鎖的だから知らない人と話したくないコミュ障にはピッタリというメリットもある。2階席には84yen、misokabocha、覇王樹、杉本君がいて、後から運営側のyama_koさんも上がってきました。まあ、いつものメンツですね。

・開演後の直感的な印象ですが、今年のFRENZは大人しい気がしました。ジングルとともに次に上映される作家名が画面に映る時なんかは、人気作家ならそれだけで大盛りあがりだったものですが、今年はFRENZ界隈で爆裂人気な杉本君の時でさえ一部の席から「おお~!」と若干聞こえた程度だったのは割りと衝撃的でした。

・思うに、好き勝手に大声を出しながら鑑賞していたのは2019年以来のことだったので、4年ぶりの発声解禁に全員が「探り探り」だったのかなというのが一点。また、そもそも今年初めてイベントに足を運んだ方が半分弱くらいいらっしゃったようなので、単に雰囲気が掴めていないのもあったかなと思いました。

・主催の前田地生氏より、FRENZへ取材に来ている記者の方をご紹介いただきました。で、その方がえいりな刃物さんの「死神」も取材された方らしくて、たまたま84yenと二人で居合わせたところ「死神の登場人物のモデルになったとのことで、お二人の写真を撮らせていただいてもよろしいでしょうか?」と聞かれたのですが、僕はあろうことか「ネットに公開さえしなければ…」と回答してしまい、何もかも間違えました。(ネットの記者がネット非公開用に写真欲しがるわけねーだろ)許してくれ…

 

一夜

・昨年はタイミングを逃してしまった「座敷席でフードを食す」という実績を解除しました!座敷ブースからFRENZを楽しんだのは2012以来のことでして、実に11年ぶり…。座敷席は会場の最奥部にあるのですが、ここから眺めるFRENZも格別でした。まず、観客席がめっちゃ近くて「一緒に見てる」って感覚がすごい!閉鎖的な二階席とは真逆でした。今後もちょいちょい、ここで観たいな~。

・パスタも美味しうございました。

・ちなみに座敷席には間食のために数回ほど訪れたのですが、名札もシンボル的なものも身に着けていないにも関わらず「ねがくずさんですよね?いつも応援してます!」的な感じで、その都度必ず誰かしらが声をかけてくださりまして大変嬉しかったです。

・フィンダーおじさんグッズを身に着けて来場されている方も、昨年同様に多数お見かけしてありがたかったです。まるでフィンおじのフェスみたい!当日に現場で物販があるわけでもないのに、あんなに沢山の方々が自宅から準備してきてくれている事実…震える!

・なんかもう近年のFRENZにおいては、毎回すべてのコミュニケーションを放棄して二階席に引きこもってばかりなので申し訳ない限りです。ただ、声をかけていただく分にはめちゃくちゃ嬉しいので、本当にありがとうございます。

・二回目か三回目あたりの座敷利用時、カレーを注文したばっかりに周囲へカレーの匂いを拡散してしまって申し訳ない気持ちになりました。しかもその時に限って相席になった方が綺麗な女性の方だったので、普段なら超ラッキー!!!!!なんですけど、この時ばかりは「そこはおじさんが来てくれよ!!」と思いました。(何?この話)

・二階席で覇王樹が「今年も84yenと打ち上げ配信するらしいけど、84yenはオープニング制作者だからFRENZスタッフ打ち上げとダブルブッキングになるのでは?」と非常に真っ当な指摘をしてくれました。それに対して84yenは「打ち上げなんて聞いてないし、もしあったとしても何とかするから大丈夫!」と言っており、それを受けてその日の夜に告知ツイートをしたところ、案の定打ち上げがダブルブッキングして84yenが狼狽していました。

この一連の行動を垣間見て、彼が普段どうやって社会人としてやっていけてるのか若干不安になりましたが、恐らくあの日は数多の映像作品を一日で浴びすぎた結果、左脳が一時的に焼死してたんだと思われます。仕方ないね。結局FRENZ公式側の打ち上げが一週間リスケされることで事なきを得たようで、ガチの「前田地生許してくれ」事案が発生したこととなります。まあ、今回さすがに僕は何も悪くない。84yenが全部悪い。ただ、そんな彼の作品は本当にすごいので是非観てください。もう20回くらい見直してます。

・この日はたまたまTwilight_ksさんと一緒に二人で帰ることが出来て嬉しかったです。2022年が不参加だっただけに、2023年の出展者一覧に彼の名前が掲載されていたことへの喜びたるや格別でした。作品も相変わらず良かった……御本人の論理的かつ精緻な作り込みとは裏腹に、僕としては「男の子ゴコロ、くすぐられる~~~!!!!!」というバカの感想しか出てこないのが申し訳ないのですが、本当にいつもそう思ってます。

二日目

睡眠があまりにもヘタクソすぎて、目覚ましセットせずに大量に寝てやろうと思っていたのに5時間で起床。のそのそと出かける準備。イベント開始は18時頃だが、84yenと覇王樹と3人で昼飯を食う約束だったので、明るいうちからさっさと出発。「天下一品で満腹になってから、テルマー湯の岩盤浴で自律神経を整える」という毎年の黄金コースを今年も断行しました。

 

 

二夜

・二階席で「あ、そうか!僕の作品流れるのか!」と自覚しました。隣りに座ってた覇王樹に「当たり前やろ!」と笑われたが、今思うに当日この場になってようやくその実感が湧くという距離感は僕にとって非常に適切だと感じます。

・僕の今年のFRENZに対するテーマは「楽しむこと」でした。このイベントに出展するクリエイター達は口を揃えて言うんです。誰かを刺しにきた、戦いを挑みにきた、と。僕も昔はまさしくそういう気概でイベントに臨み続けてきたのですが、こんなに楽しいイベントを前に、まるで戦場へ赴くような心持ちで肩肘張ってしまうのは勿体ない。だから今年こそ楽しむことを第一に据えました。

・故に、こんな今更なタイミングで「僕の作品流れるのか!」と自覚したのは、裏を返せば「自分の作品が上映されること」に対して無意識的にそこまで重きを置いていない証左になってるのではないかと思いました。もっと平たく言えば、「作品をお披露目する」という自分本意な一点よりも「たくさんの新作映像を鑑賞できる」というイベント全体に対してちゃんとワクワク出来ていることが嬉しかったです。(13回目でようやく得た境地)

・結果的に自分の作品は最後から三番目に上映されまして、かなり終盤だったが故に結局長い間緊張状態が続きました。でもこの緊張状態、嫌いじゃないんですよね~~~~~~。味わわないことには理解いただけないと思いますが、あの心臓が暴れる感じも、胃がキュッとなる感じも、不思議と嫌いじゃないのです!終盤で流れるの最高~!ありがとう前田地生!

・ということで、昨年の「渾身の一撃をお見舞いする」というテーマとは一転して今年は「会場全員をニッコニコにする」だったわけですが、その目的は見事達成しました。嬉しかった~~~!特に印象的なのは、舞台袖で司会のやんわりがもうめちゃくちゃ笑ってるんですよ。今年一番記憶に残ってるの、上映中のやんわりの顔かもしれません。ありがとう!!!壇上で髪の毛青いのネタにしてごめん!似合ってるよ!

・そんなこんなで無事上映され、満足気にヘラヘラしてたら最後に「お前は本当にそれだけでいいのか?」と問いかけてくるような爆弾が投下されました。熊谷芙美子さんっていう方の作品なんですけど………

・当時の感覚を率直に申すと「FRENZに自分の居場所はもう無いんじゃないか」とさえ思いました。正直、「どの口が言うんだよ」という話であることも客観的には自覚しています。ただ、鑑賞直後は心底そう感じました。鈍器で頭を殴られるような衝撃を味わえるのも、良くも悪くも本イベントの醍醐味なんだ。ぬるま湯に浸かり続けてはいけない。会場で観れて良かったです。

・さて、突然の自分語りになってしまうのですが、過去にフィンダーおじさんが「フィンおじクソコラグランプリ」という企画を配信で行ったことがありまして、同企画では多数の視聴者からクソコラどころではない力作が続々と応募されてきました。そしてそこで「総合最優秀賞」を受賞された方と、「クリエイティブ部門 優秀賞」を受賞された方と、「ちゃんと怒られてくれ部門 最優秀賞」を受賞された方が今回たまたま別々にFRENZへ来場されてまして(そんなことある????)そのお三方とそれぞれご挨拶&応募のお礼をお伝え出来たのが今年は非常に印象的でした。当時の応募総数は300件以上あったと記憶してますが、その中でも賞に選ばせていただいた特別な方々がこんな一堂に集結して、直接お礼を言う機会に恵まれるというのが、あまりにも奇跡のような気がして感激しました。

どれもこれも愛が深すぎる!!!本当にありがとうございます!!!

・夜の部と深夜の部のインターバルを使って、覇王樹・84yenと三人で向かいのTOHOシネマズにて涼みがてらホットドッグを食しました。「映画を観ないのにフードだけ購入する」というクソ実績を解除出来てよかったです。

 

二深夜

・多田文彦さんの作品が特に印象的でした。凄く可愛くて、和やかで、胸がぽかぽかして、笑える作品で、僕の胸に深く残り続けています。とんでもなく技術の高い作品なのですが、その「技術の高さ」さえ気にさせずに作品へ集中させるという、更に一つ上の次元を垣間見ました。本当に、ただただ可愛い!楽しい!最高です!!

・最後の部に上映された四天王(多田文彦さん、サイトウユウマさん、yama_koさん、駿さん)の作品はFRENZをFRENZたらしめる作品群で、感謝の気持ちさえ芽生えました。

・FRENZって「毎年同じ会場・同じキャパで開催」「ネット中継なし、現地開催のみ」「来場者の大半がクリエイティブ関係者」という特性(※会場や現地開催は明確な意図をもってのことです)上、外部から見ている分には駄サイクルとの見分けが付きにくいイベントだと思ってます。というか、環境面だけで言えばいつでも本物の駄サイクルになりかねない要素が揃っているとさえ感じています。じゃあそんなFRENZが果たして客観的に駄サイクルなのか否かを決定付ける要素が何なのかと言えば、出展者の心構えや運営の公式見解とかそんなものでは全くなくて、それはもう出展作品の質に他ならないと思うんです。

・FRENZは「出展が公募制」「参加に経歴などの条件不問」という、語弊を恐れずに言うならば玉石混交を享受しているイベントであり、この「石」だったはずの作家が2年、3年と連続出展しているうちに世にも美しい宝石へと磨きあげられて世の中へ「バレていく」姿を我々は何度も見てきました。FRENZのそこが良い。

・ただ一方で「誰もが出展応募可能」というハードルの低さ故に先述したような問題がより近しいものになりかねないところ、他の誰でもない、あの駿さんが、あのサイトウユウマさんが、あのyama_koさんが、本イベントの常連である事実。毎年この舞台で新作をお披露目したいと思ってくれている事実。同じ常連として、なんて誇らしいんだと思います。今年は特にそれを強く感じました。(尚、似たような話をyama_koさんにしたら「俺からしたらお前もその一人だよ」と言ってもらえてめっちゃ嬉しかったです。こういうのを心の奥底にそっとしまうのではなくインターネットで声高らかに自慢するのが僕という人間なんだ。許してくれ。)

・ところで今年の大トリを務めた駿さんと数年ぶりに挨拶したのですが、未だに僕のことを気にかけてくれていて非常に感激しました… 実力的にも存在的にも駿さんは今やあまりにも遠い存在になったものですから、もう僕のことなんか覚えていないのではないかとさえ感じていたものです。にも関わらず、駿さんは昔話に花を咲かせてくれたり、僕の過去作についてお話をしてくれたりして、本当に本当に嬉しかったです。その若さで、その才能で、その技術で、謙虚ってどういうことでしょうか??? 直接ご本人にもお伝えしましたが、こんな僕ですけど是非とも末永く仲良くしてあげてください…(土下座)

 

総括

・楽しかった!それに尽きます。今年のテーマは「楽しむこと」と心に決めていて、こんなに何度も何度も自分へ「楽しむんだぞ、楽しむんだぞ」と意識づけてようやくギリギリ目的達成できたかな?って感じなのが恐ろしいイベントです。事実、僕の周囲からは「負けた!」だの「やられた!」だの「生きててすみません」だの物騒な言葉が聞こえてきましたので。このイベントに勝ち負けないだろ!!(自分に言い聞かせてます)

・この二日間、あまりにも沢山の方々にちやほやしていただけたものですから、そりゃもうめちゃくちゃ嬉しいに決まってます。ですが有名人気取りになってしまうことは一ミリもなく、自身が何者でもない人間であることを自覚し続けることが出来ています。皆様から頂いた嬉しいお言葉をそのまま素直に受け止めることと、自身を冷静に客観視し続けることは両立出来ます。ありがとうございます。

 

・閉幕から数日後に某氏と実施した「被害者の会」と称した打ち上げで飲んだ日本酒が、どう考えても今年一番格別に美味しかったです。何の被害者かは秘匿事項ですが、皆ちゃんとしような。

・今年、(実在しない)切り抜きチャンネルに殺された皆様、来年の作品を楽しみにしております。

・毎年のことながら、当人としては全く無関心であるクリエイティブな趣味に対して肯定も否定もせずに好き放題やらせてくれている僕の奥さんには感謝が尽きません。まあこんなとこに書いてないで直接言えというのはその通りなので、直接言います。

 

以上となります。

来年の抱負とかは特にありません。全ての物事に対してフラットに在りたい。今年は特にそう感じました。ただFRENZを最も楽しむ秘訣は自分も出展者の立場として参加することなので、FRENZを楽しむためにも出展し続けたいな~という気持ちはあります。また来年考えます。

 

ともあれ二日間本当に楽しかったです。お疲れ様でした!

 

レイヤースタイル「境界線」使用後でもモーションブラーをいい感じに付ける方法

うまいこといったので備忘録。

 

導入編 最も初歩的なトラブルと解決法

まずレイヤースタイルの「境界線」にモーションブラーを付けようとすると圧倒的に失敗するのはAfterEffects定番のトラブルかと思います。

この原因は、レイヤースタイルの処理を、全ての処理が終わった一番最後に適用するためです。要するに、線引いた後にボカしてほしいのに、ボカしてから線を引くからクッキリ境界線になってしまいます。

 

なので、まずは境界線を引いた後にその素材をさっさとプリコンポーズして、プリコンポ適用後にモーションを付けることで処理順が正しく「境界線→ブラー」というプロセスになってくれます。

 

境界線で縁取りした素材を先にプリコンポしてからモーションを付けると…

上手くいく!!

 

ここまでの知識を体系的に習得したい方は、yama_ko先生が過去のAEOFFでとても丁寧に解説してくださっているのでご視聴ください。(3時間22分あたりから)

 

 

で、ここからが本題。

 

 

複合的な素材に対してもいい感じに適用したい!

プリコンポすればいいのは分かったけど、以下の条件を満たす場合はどうでしょう?

上記二点を満たした上で、綺麗にモーションブラーを付けることは可能でしょうか。

AとBに予め境界線を付けた上でそれぞれをプリコンポした場合、2枚目の「重なる部分に境界線をつけない」が満たしませんし、かといってAとBをまとめてプリコンポするわけにもいきません。なにか一工夫しなければならないようです。

 

結論から申して、以下の方法が最も現実的でした。

 

手順1.AとBにそれぞれモーションを付与した状態でまとめてプリコンポ

手順2.そのプリコンポにレイヤースタイル境界線を適用

手順3.適用したプリコンポを更にプリコンポ(3階層)

手順4.最も外側のコンポにCC ForceMotionBlurを適用

 

 

<補足説明>

手順2で境界線を適用したプリコンポにモーションブラーを付けると、境界線の処理が最後尾になってしまうためうまくいきません。つまり、なんとかモーションブラーを後ろに回さなければなりません。

そこで二重にプリコンポーズしてあげることで、一旦「境界線も含めた描写」をコンポ内で確定してあげて、更にその外側から「ブラーを施す処理」をかけてあげるわけです。

その点、CC ForceMotionBlurはコンポ内の動きを参照して外側からブラーを付けてくれるという、まさしく先述した内容そのものを適えるお誂え向きなエフェクトとして活用できるわけです。(今回、初めて知りました)

ご参考:AEPファイル

 

一緒に相談に乗ってくれたyama_koさんありがとうございました。

 

FRENZ 2022 全通レポ

 

3年ぶりに開催された映像上映イベントFRENZに参加&出展してきました。

せっかくなんで記憶のあるうちに文章へ残しておこうと思います。

このブログは隔絶された無人島みたいなところあるんで、割と遠慮なく個人名も出していきますがご了承ください。全体的に「とある人が」「某氏が」ばっかりになっちゃうと意味不明な記事になってしまうので…

 

作品自体の感想は四時間かけて84yenと語り尽くしたのでご覧ください。


 

一日目

前日、ぬるてまと覇王樹の三人でDiscord繋ぎながらスマブラSPのネット対戦をやり続けてたら普通に眠れなくなって早朝4時くらいからようやく就寝。ほぼ仮眠レベルで起床。コンディション最悪だけど準備して出発。大学生の1時間目か???

 

僕は毎年「最も作品鑑賞に向かないとされる、ほぼ楽屋みたいな二階席」が事実上の指定席となっており、いくら若い整理番号で早めに並んでも良い席を確保する必要がない(最前列とかは新規のお客さんに譲りたい)ため常々開演ギリギリに到着している。今回もご多分に漏れず、LoftPlusOneに到着した時点で既に行列はなくなって観客ほぼ全員が入場を済ませた後の状態だった。それ故にかえって入り口で一人記念撮影しやすくてよかった。

オタクあるある「アクスタ持ってスマホで記念撮影」って行為を歌舞伎町でやったの僕が初めてだろ。

 

一昼

・入場した際、過去にオープニングを制作した際に打ち上げで同席したこともあるスタッフさんがめちゃくちゃ他人行儀に会場の飲食システムを説明してくれて、少し笑ってしまった。その後、二階席に上がったら仲良しな常連メンバーにさえ「誰だお前!?」みたいな反応をされた。髪型変わったから???

 

・僕はこのイベントに初回から毎年皆勤で足を運んでいるのでそこそこ思い入れがあるのだけど、3年ぶりにこの地へ戻ってくることでどれくらい感情が爆発するのか?それとも割と冷静なのか?自分でも行ってみるまでわからなかったけど、案外「帰ってきたな~。楽しいな~。」って程度で情緒が狂ったりはしなくて「よしよし。ちょうどいい距離感じゃあねぇか!」と思った。ただそれも結局は時間の問題だった。(後述)

 

・フィンおじの出番が存在しない一日目から既にフィンおじTシャツを着て来場されている方々をたくさんお見かけしてめちゃくちゃ嬉しかった。内心では全員に直接お礼を言いたかったけど、困惑させるかもしれないので結局控えた。それにしてもフィンおじT着用は女性率が高かったので、内心めっちゃ話しかけたかった(素直すぎだろ)。でもやっぱり、こっちから「オイラっち、フィンおじの運営をしてる人なんですけど~」ってアプローチするのはダサすぎるので、結局我慢した。

 

・本来だったら「FOOOOOOOO!!!!!」とか「うおおおおおおおおお!!!」とか叫んでたはずの部分が拍手にならざるを得なかったことに寂しさを感じなかったかと言われれば、嘘になる。でもこれはもう何億人という人類がたくさんの不自由と向き合いながら生活している世界レベルの問題なので、今更どうこう言えるものではない。来年は、、、頼む、、、!!!

 

 

 

一夜

 

・昼と夜のインターバルがそこそこあってお腹も空いていたので覇王樹とmisokabochaさんの三人で向かいにある銀だこでたこ焼きを食べた。店内が空いていなかったので道端で食べたけど、歌舞伎町は副流煙の温床なので煙が邪魔だった。本来なら「この野郎、路上喫煙者め…」となるが、ことさら歌舞伎町ともなると逆に「歌舞伎町に来たのに受動喫煙に文句を言うなんて、スプラッシュマウンテンに乗って水に濡れたと文句を言うようなもんだ」と感じて怒りはなかった。(そんなことはないだろ)

 

・オープニングは覇王樹だった。前年トリを務めてたし参加歴のキャリア的にも今年は彼だろうなと予想していて、覇王樹本人にも「今年は君だと思うけどあまり言及しないでおくね^^」とか言ってたのでそこは的中したんだけど、クオリティが想像の何倍も魅力的で結局度肝を抜かれた。楽曲がめっちゃ良かったし、映像がそれに合ってた。

 

・第一部ラストに上映された「みとう。」さんという作家さんの作品にバチボコ食らい散らかしてしまって、久しく体験していなかった「作品を享受した後に居ても立っても居られなくなって本人へ直接感情をぶつけてしまうやつ」をやってしまった。もう僕はぶっちゃけそういうフェーズは学生時代だけのものだと思っていたので、今になってまだそんな初期衝動を覚えられるなんて、貴重な体験をさせてもらったなと感じた。尚、御本人に僭越ながら名刺交換させていただいた際、じっと名刺を見ながら「もしかしてフィンダーおじさんの人ですか?」的なことを言われて、さすがに今回ばかりは本当にフィンおじありがとう…となった。悔しいことに。

 

・たしか終演後23時くらいには帰宅したけどなんやかんやして寝たのは2時過ぎ?

 

二日目

今夜はオールナイトが確定しているので少なくとも10時間は寝てやろうと、起床時刻を12時過ぎにセットしたのに、余裕で7時間睡眠くらいで起きちゃった。

FRENZ二日目開催は18時からなので、日が暮れ始めるまで随分と余裕がある。僕は何年からだったか「天下一品で昼食をたらふく食べて、テルマー湯のサウナ・温泉・岩盤浴で自律神経を整える」という黄金コースが確立しており、今年もご多分に漏れずそれをやった。前年は覇王樹も誘って行ったのだが、彼が今年もそれを覚えていたようで「今年もアレやるん?」と聞いてきたので、二人で一緒に行った。気楽なもんだった。

 

 

二夜

 

・第三部に上映された四作品を主催であり司会である前田地生が「殺し合いが始まります」と壇上で述べていたが、それは本当にその通りだった。一昼感想の伏線回収かつ前言撤回になるけれど、結果的にFRENZと「ちょうどいい距離感」で接し続けることはこのあたりで困難となった。具体的には、84yenの「little red riding hood」という作品により、僕はまたしても狂うことになった。

 

・何が言いたいかというと、「一生懸命作った自分の映像を、たくさんの人に観てもらって嬉しいな~!」と、本来ならそれだけで参加の意義は満たされるはずなのに、「FRENZ」というイベントがそれだけでは許してくれなくなることを意味する。

 

・浴びるように「熱量」「狂気」を映像から享受することで、「それに比べて自分の映像ときたら…」という、要するにそっち方面の、負の感情と向き合わざるを得なくなる。あーあーあーあ、結局、また、この感じか。となる。僕は10年以上ここに居るので、この感覚にはひどく覚えがある。全力を尽くしたはずの自分の映像に何故打ちひしがれなければならないのか?楽しみにきたはずなのに、なぜ悔しい思いをして帰らなければならないのか?という、理不尽な感覚である。そして奮起する羽目になる。「来年は全員なぎ倒す」と。この呪いを最も纏ったのはFRENZ 2015であることを覚えている(7年前!?)。

 

・賞レースでもないんだから作品に定量的な評価など下されないが、それでも「一番になってやる」「周り全員ぶっ倒してやる」という心持ちで本イベントに臨む人も少なくない。昔は自分もご多分に漏れず、そのクチだった。ただ僕はあるタイミングから、その終わり無き戦いからある種の戦線離脱をすることが出来た自覚があった。それは2016年に深夜の部で大トリを頂いて先述した2015年の呪いを清算しきったこと、以降は上映順にも執着しなくなったこと等も理由にあると思う。事実として今年は制作中「絶対に誰にも負けないぞ!」という気持ちを一切抱くこともなく、とてもフラットに作業を完遂した。ただただ着実に、自分の出来ることを丁寧に終えて、「やれることはやったな」と 冷静な気持ちで提出した。

 

・なのに再び、懐かしいこの複雑な感情を抱き始めたことで「うわあ、嫌だなあ………」となった。心底、嫌である。そこには戻りたくない。84yen許せない。

 

 

 

二深夜

 

開演まで1時間以上のインターバルがあったので、杉本君とぬるてまと三人でココイチにて腹ごしらえをした。それでも尚、時間が余っており、杉本君が新宿駅のトイレにビニール傘を忘れたとのことなので、無駄にそれについていくことで時間を潰した。結果として、トイレに置き忘れたビニール傘はなくなってたらしい。当たり前や。

コンビニでウコンの力とキューピーコーワを飲み徹夜に備えて、再び開演ギリギリに入場して二階席へ戻った。

 

・昨日の倍か、それ以上に、フィンおじTシャツやグッズを持参してらっしゃる方がたくさんいて本当に嬉しかった。特に出展者がそのTシャツのまま登壇することが一度や二度じゃなくて、狂気だなと思った。あと一日目、二日目とも作品中にも度々フィンおじが登場して、「なんでやねん」と思いつつも嬉しかった。

 

(実在しない)切り抜きチャンネル さんの作品で、柄にもなく涙を流すことになった。詳しくは近々WEB公開される本作品を実際にご覧いただけばすぐにその意味がわかると思うけど、僕はとある事情でとても贅沢な立場からこの作品を鑑賞できたというのが一つ。そして先述の経緯により「創作と向き合う悔しさ」を鮮明に思い出していたタイミングで上映された というのがもう一つ。会場で作者御本人にも直接お礼を伝えることが出来て良かった。大切な作品になりました。

 

www.youtube.com

 

・事前に上映順が明かされない本イベントにおいて、隣に座っていたえいりな刃物chang共々、深夜の部はジングルが1回流れる度お互いに寿命を何日か削っていくこととなった。回を追うごとに二人ともどんどんグロッキーになってて、傍目には誠に滑稽だったのではないかと思う。結果としてえいりな刃物changが大トリ・そして僕がその一つ前というワンツーフィニッシュを飾ることになったのだけど、僕は随分前から「今年のFRENZは刃物changが大トリだろう」と確信を持っていたので、二人が残った時点で「どっちが前でどっちが後なんだ?」という気持ちは一切なく、事実上の順番確定に等しかったため、一足早く腹を括って心の準備がしやすくてとても助かった。

 

・確信について補足しておくと、僕は刃物changの作品のモデルとして起用されており(どういうことやねん)、その兼ね合いで依頼を受けた際に絵コンテを事前に拝見しており、「ああこれはもう、誰にも手を付けられない狂気のやつや…」と思っていたので、決して後出しジャンケンではないのである。

 

・いつもながら上映はあっという間だった。(ネットにはもう少し修正してから投稿しますが、冒頭に載せた打ち上げ配信の途中で一度だけ流していますので、そこから観ようと思えば観れます。)

 

・自分の作品は先述のとおりフラットに完成したため、熱量とか戦意とかを褒められても正直ピンと来なかった。あまりにも自作を客観視しすぎて自分の熱を感じなかったのかもしれない。でも作中からそれらを感じてくれた方がたくさんいて、嬉しかった。僕が知らず知らずに熱を込めていたというよりは、「こういう作品にしたら皆、熱を感じてくれるだろう。」と更に一つ俯瞰的な自分が冷静に「熱を感じる作品」を作ったのではないかと分析している。なんだか寂しい話に聞こえるかもしれない。

 

・登壇して「殺し合いはやめましょうよ、命がもっだいない!(要約)」とコビーみたいなことを主張した。別にいいんですけど、僕を巻き込まないでほしい!これは切実です。無邪気に出展したいんだ、僕は。

 

解散

 

・今年はイベント当日より以前からずっと、あまりにも刃物changと縁深すぎた上、結果的に大トリ・トリ前という最高の形で、FRENZの終幕に二人で携わることが出来たのが嬉しかった。二人で記念撮影して(徹夜明けかつ湿気がすごくて髪の毛グッチャグチャだった)、あとあらゆる因縁を持つ84yenも交えて更に三人で記念撮影して、朝7時頃に帰宅した。

 

・翌日、打ち上げ配信を84yenと共に行ったら感想が止まらなくて4時間ずっと喋っちゃった。更にそこからアーカイブを4時間分見直したらもう朝で、仕事を休んで昼夜逆転も直らず今に至ります。助けてください。

 

総括と雑感

 

・今年はある種、FRENZに一区切り付ける意図、つまり「必ず毎年出展する必要はないよね」というフェーズに移行する意図で出展表明したつもりだった。でも、二日間過ごして、なんだかんだ逃れられない気配を感じている。熱に浮かされているんだと思う。そして熱に浮かされているうちに退路を断つために決意表明する人も毎年沢山いる。僕は、僕はやらんぞ。来年のことは来年考えます。

 

・なんやかんや明日出社して同じ部署の可愛い後輩とお話したらここまで述べてきた5500文字を全部ぶっ飛ばして「日常生活最高~~~~~!!!」となる気もするし、それでいい気もする。わからん。でも今は創作楽しいからもうちょっと色々作るよ。

 

 

二日間本当に楽しかったです。お疲れ様でした。