新卒以来そこそこ長い期間勤めていた企業から退職を決断し、転職活動というものを初めて経験したのでメモを残そうと思います。
■転職のきっかけ
うちの会社は良くも悪くもユルい社風だった上に、リモートワークや副業可、オフィスカジュアルやスーパーフレックスなど働きやすさに関わる制度は先進的に取り入れてくれてました。なので趣味兼副業のクリエイティブな活動やVTuberごっこなどと大変相性が良く、幸い人間関係も不自由なく、そこそこ評価もいただいていたので、細かな不満は数あれど辞めるほどの理由は無くのびのび働いていました。
しかしながら私の所属する部署(いわゆる社内SEポジション)のトップが変わったことをキッカケに稼働率が激増し、最たる魅力である「趣味・副業との相性が良い」という根本的な部分に陰りが生じてしまいました。
それに伴い、今までなら「一長一短だよね~」という気持ちで飲み込めていた細かな不満(例:業務内容に飽きた、評価制度に平等性を感じない、将来こうなりたいと憧れられるような人が周囲に少ない、逆にコミュニケーションコストの高い尊敬できない同僚が多い 等)も無視できなくなってきて、「さっさと転職しよう」という考えに至りました。幸いフットワークは軽く行動力はある方なので決めてしまえば実行は早かったです。
あと、新入社員OJTを担当して以来ずっと仲良く一緒に働いていた後輩の女の子の異動が決まったことで勤労意欲が大暴落したというカスみたいな理由にも起因します。(愚か)
■結論
結果としては第一志望から内定を頂き、待遇・報酬・勤務条件・働きやすさ等どれを取っても満足しています。ただし実際に入社するのは夏ごろなので、今回の転職が成功だったのか失敗だったのか本質的な結果が出るのは将来の話です。とはいえ、少なくとも私自身は現状において、かなり納得のいく満足な内定承諾をしたと思っています。
■全体スケジュール
転職活動開始から退職交渉まで約2ヶ月弱でした。
- 転職を決断(n-1月)
- ビズリーチ・各社転職エージェントへ登録(n月) ←転職活動開始
- 応募・書類選考・面接(n+0.5月)
- 内定・退職交渉(n+1月)
だいたいこんな感じです。
幸いスムーズに内定を得られたので、そこそこ早い方かもしれません。そうは言っても対策はこれでもかと入念に行い、精神的にも心休まらない日々が多かったので、非常に濃密な期間ではありました。(決してサクっと終えたわけではない)
あと、僕の場合は「ボーナスを貰ってから辞めたい」という気持ちがあり、あまりにも早く内定を貰いすぎると今度は入社日の交渉に苦心すると思ったので「いつから応募を始めるのか」という点も気をつけました。
■準備編
「転職活動って具体的に何をすればいいの?」という点に関しては、転職YouTuberとして有名なサラタメ氏の以下動画一本で全て完結しました。基本的にこれ通りにやれば大きな失敗はありませんでした。
ちなみにサラタメ氏の動画はどれも面白いのですが、転職活動においてインプットしておくべき情報としては正直この一本だけで十分だと思いました。(面接というのはリアルタイムなコミュニケーションなので、座学のインプットを増やしてもあまり有効打にはならない。)
下調べは以上で、いよいよ行動に移します。
■履歴書・職務経歴書 作成編
履歴書のためにめっちゃ久々にスーツを着用して証明写真を撮りました。
僕の場合は駅とかによく設置されているスピード撮影ボックスで済ませました。
「第一印象は大事。写真で印象が変わって書類通過率に左右する可能性もある。」という考え方はあながち間違いではないと思います。しかし最近の撮影ボックスは美麗モードやスマホに画像データを転送してくれるサービスなど、高品質な機能が搭載されており、技術の進歩により自動撮影でも遜色がなくなったので「もうこれでええやん」と判断しました。
履歴書・職務経歴書の具体的な書き方は各種転職サイトの雛形などから学びました。特に職務経歴書は近所のタリーズに毎日引きこもって推敲を重ね、経歴・実績などに加えて「プロジェクト上で自分自身が思考を巡らせた点」を端的に補強することをより心がけました。
■各種サービス登録編
利用したサービスは以下の三点です。
まずビズリーチはよくCMで宣伝されている通り、企業から直接スカウトが届くサービスです。全ての転職活動者がとりあえず登録しておくべき安定択と思います。
ただし「スカウト」という言葉から、まるで面接で優遇されるかのようなイメージを持ってしまいがちですが、「スカウト」は「広報活動」と何ら変わりないので「うちに応募してみませんか? ただし、自主的に応募してきた方々と選考フローは何も変わりませんけどね」という宣伝メッセージが届いてるだけと解釈した上で利用しました。その点の認識を誤りさえしなければ、非常に有用なサービスでした。
そして転職エージェントは(言い方が悪いですが)担当者のハズレを引かないためのリスクヘッジとして二社に依頼しましたが、結果的にどちらのエージェント様もご丁寧に対応いただき、大変満足しています。二社だけでも日々の業務連絡等なかなか大変だったので、仮に三社への並列登録をしていたら僕にはちょっとキツかったなと思います。
ちなみにJACには知性的でロジカルな方が多く、マイナビには若くて親身な方が多い印象を個人的には受けました。(接した方の母数が少ないので、実際の傾向と一致するかどうかは不明)
結果的に上記3社が、多すぎず少なすぎず利用しやすかったと感じます。
■応募・書類選考編
応募企業を選定するにあたって「会社四季報 業界地図」を買いました。
実際役に立ったかと言われると…ちょっと謎ですが、パラパラとページを捲って「こんな企業があるんだな~」ってだけでも大変楽しくて、転職活動自体のモチベーションも上がったので買って良かったと思っています。(業界の未来予想は話半分に読んでました)
応募は「是非とも入社したい」と思える企業だけに厳選したので、片手で数えられるかどうか程度の応募数でした。
新卒では縁がなかった名だたる企業に応募しましたが、存外そういった企業からも書類通過いただきました。その時初めて「これまで現職で頑張ってきたことがちゃんとスキルアップに繋がっていて、知らず知らず自身の市場価値を高められていたのだ」という客観的な実感を得られたため、とても嬉しかったです。
自社の中だけでは自分の市場価値なんて知る由もありませんが、少なくとも私の経歴や実績を社外の方々が見ても「会ってやってもいいかな」と思ってもらえたという事実が自信に繋がりました。
尚、このあたりの書類作成・企業分析・応募など事務作業全般を行っている間はずっとNiziUのMemoriesを聴いていたので、Memoriesを聴く度にタリーズで延々と対策していた日々を思い出します。
■面接編
面接の時期になるとすっかりYouTubeのおすすめ欄が「面接で◯◯を言っちゃう人、お見送り確定です!」みたいな、伏せ字サムネイルでクリック率を稼ぐありがちな動画で溢れかえり、それにまんまとハマりまくって大変不毛でした。実際のところは先述のとおり面接はあくまでコミュニケーションであって、何かキラーワードを発することで採用されるわけでもなければ、質問に対して「正解」が存在するわけでもありません。
というか、そもそも面接はこれまで培ってきたスキルを示す場なので、表層的な対策に気を取られるよりもこれまでのキャリアで自分が何を頑張ってきたのか、という実績面を何度も何度もを棚卸するほうが遥かに生産的でした。あとは、明るく振る舞う・結論から話す・質問の意図を正しく汲み取る・実体験や根拠に基づいた回答をする あたりを心がけました。もともと論理的な思考にはかなり自信があったので、面接は堂々と臨めました。
そうは言ってもやはり一度目の面接は緊張したし、全く脳内シミュレーション通りに行かなかったので、一番の特効薬は「実際に受けてみる」だなと痛感しました。(新卒採用と同じく、中途採用でも第一志望を最初に受けるのはやめたほうが良いかもしれません)
あと、ちょうど面接の時期にリリースされたNiziUのSweet Nonfictionにめちゃくちゃ勇気を貰いました。Memoriesしかり、僕の転職活動において無くてはならない大切な二曲になりました。推しがいるというのは、かくも心の支えになるのであるな…
僕が内定を頂戴した企業は書類選考→SPI→一次面接→二次面接→最終面接というそこそこしっかりした工程がありましたが、面接の結果はその日の夜には届きましたので、そういった判断のスピード感もまた入社意欲に繋がりました。
■総括
転職活動、想像以上にハードでめっちゃ疲れました。
恐らく僕は人一倍に準備・対策したと思います。お陰様で納得の行く結果は得られたし、何よりこの転職活動を通じて得たものとして、僕のスキルが他の企業にも通用するという客観的な自信に繋がったのは大きかったです。
今まで「キャリアプラン」だの「キャリアアップ」だの、意味はフワっと理解してるものの具体的にどういうことなのか全くイメージが付いていませんでしたが、それらを体感的に知ることが出来ました。私の場合は、たまたま現職で一心不乱に頑張っていたことが結果的に運良くキャリアアップに繋がってたから良かったですが、別に若いうちから意識的に「どこにでも通用する人材になるぞ」とか「市場価値の高いスキルを身につけるぞ」と計画を立てていたわけではないので、本当に結果論というか、たまたま命拾いして良かったと痛感します。転職が売り手市場でDX人材や中途採用を手厚くしていたことも大いに追い風になったと思います。本当に運が良かった。
年下の方々には是非、僕のようないきあたりばったりなキャリアを歩まぬよう、5年後10年後どのようになっていたいのかを定期的に棚卸していただければと、反面教師にしてもらいたい所存です。(ちなみにキャリアアップって結局何やねん?という疑問については以下の動画が大変明瞭だったのでオススメです。)
そして全く新たな環境で働くことに際し、もはや何年ぶりかもわからない「仕事に対してワクワクする」という実感も得られております。そういう意味では転職に踏み切って本当に良かった。でも疲れました………
ひとまず現職で過ごす残り数ヶ月に関しては、余生だと思ってのびのび最低限の業務をこなしつつ有休を全消化して、悠々自適に過ごそうと思っています。(丸々1ヶ月半以上も休むなんて大学生以来で何すればいいかわからない……)
<おまけ>
転職中に見つけた面白いチャンネル。
コンテンツとして楽しいし、転職活動終わってもずっと追ってます。