FRENZ 2018 出展作品「回る秋うさぎ」をネット上に公開しました。
本作は非常にたくさんの想いを込めた作品なので、ここでどのあたりまで語るべきなのか考えあぐねているところです。ひとまず本記事では、以下の点について淡々と制作背景を記そうと思います。
・1. 10年目のFRENZ出展作品としての本作
・2. 鈴谷アキさんをテーマとした作品としての本作
・3. ハムさんとの共作としての本作
・4. 技術的な話
10年目のFRENZ出展作品としての本作
FRENZという上映イベントは今年で10年目を迎え、私は第1回目が開催された当初より、あらゆる携わり方をしながら10年皆勤を果たしています。(ユニットで参加したり名前を変えたりオープニングを作ったり、その年々によって様々でした。)まずは、無事、10年連続で作品を完成させられたことに安堵しております。
この十年間を振り返ってみれば、居住地も生活環境も身分も人間関係も変化を遂げながら、このイベントに向けて作品を創り続けることだけは変わらなかったということに、自分でも驚いています。
そんな私の作品は、4部構成における最後の部に位置づけられる「2日目深夜の部」の、中でも第4部という終盤中の終盤に上映されました。
このFRENZというイベントは、来場者も出展者も、とかく、この「上映順」というものを度々話題に挙げがちです。というのも、出展者本人にさえ当日のセットリストが明かされておらず、自分の作品がいつ、どのタイミングで、誰の作品の後に上映されるかわからないという、大変心臓に悪い、異質な状況下に置かれるからなのです。
(画像は公式サイトより。)
そして先述のとおり私は最後の部にて上映されたわけですが、この部で上映された僕以外のeau.、84yen、機能美pという三名全員が、奇しくも10年前から共に創作活動を続けていた創作仲間達でした。
記念すべき10年目のFRENZを、10年来の戦友とともに終えることが出来たというのが、私にとって何よりも誇らしく感じました。四人の作品が上映されたのち、とんでもない「エモ」が爆発いたしまして、年甲斐もなく皆で写真を取ったりLINEを交換し合ったりしました。笑 お前らこれからもよろしくな……。
鈴谷アキさんをテーマとした作品としての本作
本ミュージックビデオは、何ら文脈を知らずとも映像作品として完結されたつくりにしたつもりではありますが、そうは言っても、この大きなテーマについて触れないわけにはゆきません。(語ると長いから自制しながら書いてます。笑)
ここ最近、趣味全開のMAD的なものを作っては公開していることからもご存知かと思いますが、私は「バーチャルYouTuber」という文化にドハマりしております。中でもお気に入り(いわゆる「推し」と呼ばれるもの)の演者さんが、本作のモチーフでもあり楽曲の歌唱者でもある「鈴谷アキ」さんという方です。
氏を知ったのは今年の春頃だったのですが、ある日ほんの何気ない気持ちでイラストを描いてTwitterに投稿したところ、なんとご本人から以下のように反応をいただき……
自分で言ってて全然気付きませんでした😆
— 鈴谷アキ🐈にじさんじ所属 (@aki_suzuya) June 15, 2018
OBSとか配信設定のことですよ!
描いてくれてありがとうございます!「ラットが死んだ」大好きです!😊✨ https://t.co/QBqLop9t7W
拙作「ラットが死んだ」を大好きと言ってもらい、惚れました。(単純すぎひん???)
いやまさか、そんな角度から攻められる(?)と思わなくてですね…。例えるならば教室の隅で一人黙々と自由帳に漫画を描いていたら、クラスの女の子に「絵、上手だね!」って突然褒められたような感覚でしたので。そりゃもう好きになっちゃいますよね。(謎理論)
まあ、そんなどうでもいい前置きはさておき、きっかけはどうあれすっかり毎日配信を追うようになった私は日に日に氏の魅力に惹かれてゆき、自身の創作へと還元したいと考えるようになってゆきました。中でもとりわけ、氏は非常に素敵な声の持ち主で、とても沢山の楽曲をご存知で、よくご自身でお歌も歌ってらっしゃるので、「これはもうミュージックビデオしかないな」と結論付けるのは至極自然なことでした。
ちなみに私は「創作」そのものを楽しいと思ったことはほとんどなく、表現したいものが無くなればすぐにでも創作活動を辞めてしまうだろうという確信があります。そんな中、本年は、このように「創りたい」と感じられる想いの原動力と沢山出逢うことができたため、非常に感謝しております。
ハムさんとの共作としての本作
ハムさんは作曲を生業にしている、私とは違って正真正銘プロの方です。自身が作曲された楽曲が武道館で歌われるなどの実績もお持ちで、私のような者が彼と共作出来たのは本当に幸運という他なく、感謝が尽きません。
本作が完成するまでに様々な「偶然」があったのですが、中でも最たる例が、このハムさんとの共作という側面でした。
と言いますのも、ハムさんとは「バーチャルYouTuber」の「バ」の字も出ない頃から「一緒になにか作りましょうね!」と言い続けていた間柄で、本作をもって、実に2年越しにこの約束を果たせたこととなるのです。つまり、互いにVTuber好きが高じて共作に至ったという順序ではなく、コラボするつもりの相手がたまたま同じ沼の住人だったということです。
元々は完全にオリジナルの作品を創作する話もあったので、結果的に出来上がったのが本作であるというのは紆余曲折のなかで決まったものであり、初めから決まっていたことではありませんでした。最終的に「鈴谷アキさんの歌唱曲でMVを作りたい」と持ちかけたとき、間髪入れずに快諾してくださったことは今でも覚えております。
ハムさんが本作で担当してくださったのは楽曲アレンジに留まらず、なんと言ってもミックスにおいて凄まじいスキルを発揮いただいております。
というのも、本作で使われているボーカル音源は、「生配信」の「一発録り」で(恐らく)「専門のスタジオなどではない自室」にて歌われたものなのです。
その音源に対し、咳払いやクリック音の除去、音程の微調整、その他緻密な作業を施した上でミュージックビデオ音源として成立させてくださりました。これは本当にプロフェッショナルという他なく、初めて加工音源を受け取ったときは開いた口がふさがりませんでした。
本楽曲アレンジにおいて、今まで既存楽曲に映像をつけることしかしてこなかった私としては、自分が音楽に映像を付与するだけでなく、音楽の方からも映像に寄り添ってきてくれる感覚を初めて体感し、感動を覚えました。自分じゃ絶対に思い浮かばないようなエッセンスが多数含まれており、共作の相乗効果を得られたと自負しています。
……あとこれは完全に蛇足ですが、ハムさんのいわゆる「最推し」は森中花咲さんという方で、ちょうどタイムリーに鈴谷アキさんと森中花咲さんが「東京サマーセッション」という楽曲をデュエットしていたことから、我々のユニット名を勝手に「ネガハムサマーセッション」と呼称していました。(この情報、いる?)
技術的な話
ここが一番語りがいのあるトピックではあるのですが、長くなってきたので本記事では割愛したいと思います。
代わりに、実は2,3ヶ月ほど前に自分でもクソみたいなバーチャルYouTuberを作ったのですが、こいつの動画内でメイキングを解説させるという試みをひらめいたので、そちらの機会に取っておこうかとおもいます。よければこれを機に、こちらもチェックいただけますと幸いです。
(追記:メイキング動画完成しました。)
ファンに留まらず自分も演者に立ちたいという思いがほんの少しと、単にくだらない動画を量産するためのおもちゃ感覚が大半の目的で始めたバーチャルYouTuberですが、ありがたいことに視聴者様に恵まれ、チャンネル登録数やTwitterフォロワーも3,000人を超えました。いつか鈴谷アキさんと同じ舞台に立てるよう、こちらも頑張りたいと思います。(無理)
【祝!チャンネル登録2,000人突破!】
— フィンダーおじさん(新人VTuber) (@FinOji_ch) November 16, 2018
超人気VTuberゲストをご招待した、フィンダーおじさんチャンネル登録2,000人突破記念パーティの様子をご覧ください!!
リンク先のフル版では、これまでの活動記録も振り返ってますクル。
フルはこちら:https://t.co/aP67tdP5AY pic.twitter.com/Zehn1gMCjJ