うまいこといったので備忘録。
導入編 最も初歩的なトラブルと解決法
まずレイヤースタイルの「境界線」にモーションブラーを付けようとすると圧倒的に失敗するのはAfterEffects定番のトラブルかと思います。
この原因は、レイヤースタイルの処理を、全ての処理が終わった一番最後に適用するためです。要するに、線引いた後にボカしてほしいのに、ボカしてから線を引くからクッキリ境界線になってしまいます。
なので、まずは境界線を引いた後にその素材をさっさとプリコンポーズして、プリコンポ適用後にモーションを付けることで処理順が正しく「境界線→ブラー」というプロセスになってくれます。
境界線で縁取りした素材を先にプリコンポしてからモーションを付けると…
上手くいく!!
ここまでの知識を体系的に習得したい方は、yama_ko先生が過去のAEOFFでとても丁寧に解説してくださっているのでご視聴ください。(3時間22分あたりから)
で、ここからが本題。
複合的な素材に対してもいい感じに適用したい!
プリコンポすればいいのは分かったけど、以下の条件を満たす場合はどうでしょう?
上記二点を満たした上で、綺麗にモーションブラーを付けることは可能でしょうか。
AとBに予め境界線を付けた上でそれぞれをプリコンポした場合、2枚目の「重なる部分に境界線をつけない」が満たしませんし、かといってAとBをまとめてプリコンポするわけにもいきません。なにか一工夫しなければならないようです。
結論から申して、以下の方法が最も現実的でした。
手順1.AとBにそれぞれモーションを付与した状態でまとめてプリコンポ
手順2.そのプリコンポにレイヤースタイル境界線を適用
手順3.適用したプリコンポを更にプリコンポ(3階層)
手順4.最も外側のコンポにCC ForceMotionBlurを適用
<補足説明>
手順2で境界線を適用したプリコンポにモーションブラーを付けると、境界線の処理が最後尾になってしまうためうまくいきません。つまり、なんとかモーションブラーを後ろに回さなければなりません。
そこで二重にプリコンポーズしてあげることで、一旦「境界線も含めた描写」をコンポ内で確定してあげて、更にその外側から「ブラーを施す処理」をかけてあげるわけです。
その点、CC ForceMotionBlurはコンポ内の動きを参照して外側からブラーを付けてくれるという、まさしく先述した内容そのものを適えるお誂え向きなエフェクトとして活用できるわけです。(今回、初めて知りました)
一緒に相談に乗ってくれたyama_koさんありがとうございました。