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ほとんど更新しない備忘録ブログ

FRENZ 2023 全通レポ

こんにちは。

今年も映像上映イベントFRENZに参加&出展してきましたので、記憶が鮮明なうちに当時感じたことなどを記録いたします。尚、昨年同様、個人名を割と遠慮なく出していきますがご了承ください。(全体的に「とある人が」「某氏が」ばっかりになっちゃうと意味不明な記事になってしまうため。)

昨年の記事はこちらです。一年越しに読んでみたら端的に当時の記憶や感情がまとめられていて、去年の自分はいい仕事をしたなと自画自賛しております。

なお、この記事はあくまでイベントの雰囲気や体験についての記録であり、上映作品自体の感想は5時間かけて84yenと全作品とも語り尽くしましたのでそちらをご覧ください。それにしても、5時間は流石に物理的な限界を感じる。来年はやらないかもしれないし、やるにしても何らか工夫しないと無理だと思います。

 

イベント当日まで

当たり前のことといえば当たり前なのですが、かれこれずっと締め切りを守っています。なので、近年の自分は最終提出してからイベント当日までには1,2週間ほどの余白期間があり、僕はだいたいその期間を活用して「制作中に我慢していたことを解放するフェーズ」に使っています。

今年で言えば、髪をなかなか切りに行けてなかったので散髪のついでにヘッドスパまでお願いしたり、歯医者で歯科検診を受けて虫歯ゼロにテンション上がったり、ぽこピー展へ遊びに行ってモチベを貰ったりしてました。あと、本業のほうでトラブルが発生して久しぶりに徹夜対応になってしまい、割とそれも堪えました…。週末に楽しみが控えていたからなんとか精神を保てましたが、楽しいイベント直前にラスボスのような形で勝手に立ちはだかってくるのは本当に勘弁願いたかったです。

 

一日目

 前日、ぬるてまと覇王樹の三人でDiscord繋ぎながらスマブラSPのネット対戦をやって、3時くらいに就寝、8時に起床。なんか去年も似たような感じでした。何の準備もしていなかったので、チケットの確認や名刺の用意など慌ただしく場当たり的に身支度。毎度のことながら、開場時間ではなく開演時間を到着目安にして出発するのが良くない。人身事故による電車遅延も相まって、今年は本当にオープニングに間に合わない可能性がありました。危なかったです…

 

一昼

・なんとか開演の5分前に到着。入り口にはすっかり誰もおらず、例によって直接二階席へ。二階席は「スピーカーが背面にしか存在しない」「画面にデカデカと手すりが被る」「そもそも舞台が直接見えない」等の劣悪な理由によってオフィシャルには席としてカウントされていないっぽいのですが、僕らのような古参は新規ファンに良い席を譲るため積極的に2階席へ行くのです。涙ぐましい。

・そうは言ってもメリットもあって、何より「ギリギリに入場しても必ず席が空いている」というのが最高。今回も電車遅延で大遅刻カマしたけど全く問題になりませんでした。あと空間が閉鎖的だから知らない人と話したくないコミュ障にはピッタリというメリットもある。2階席には84yen、misokabocha、覇王樹、杉本君がいて、後から運営側のyama_koさんも上がってきました。まあ、いつものメンツですね。

・開演後の直感的な印象ですが、今年のFRENZは大人しい気がしました。ジングルとともに次に上映される作家名が画面に映る時なんかは、人気作家ならそれだけで大盛りあがりだったものですが、今年はFRENZ界隈で爆裂人気な杉本君の時でさえ一部の席から「おお~!」と若干聞こえた程度だったのは割りと衝撃的でした。

・思うに、好き勝手に大声を出しながら鑑賞していたのは2019年以来のことだったので、4年ぶりの発声解禁に全員が「探り探り」だったのかなというのが一点。また、そもそも今年初めてイベントに足を運んだ方が半分弱くらいいらっしゃったようなので、単に雰囲気が掴めていないのもあったかなと思いました。

・主催の前田地生氏より、FRENZへ取材に来ている記者の方をご紹介いただきました。で、その方がえいりな刃物さんの「死神」も取材された方らしくて、たまたま84yenと二人で居合わせたところ「死神の登場人物のモデルになったとのことで、お二人の写真を撮らせていただいてもよろしいでしょうか?」と聞かれたのですが、僕はあろうことか「ネットに公開さえしなければ…」と回答してしまい、何もかも間違えました。(ネットの記者がネット非公開用に写真欲しがるわけねーだろ)許してくれ…

 

一夜

・昨年はタイミングを逃してしまった「座敷席でフードを食す」という実績を解除しました!座敷ブースからFRENZを楽しんだのは2012以来のことでして、実に11年ぶり…。座敷席は会場の最奥部にあるのですが、ここから眺めるFRENZも格別でした。まず、観客席がめっちゃ近くて「一緒に見てる」って感覚がすごい!閉鎖的な二階席とは真逆でした。今後もちょいちょい、ここで観たいな~。

・パスタも美味しうございました。

・ちなみに座敷席には間食のために数回ほど訪れたのですが、名札もシンボル的なものも身に着けていないにも関わらず「ねがくずさんですよね?いつも応援してます!」的な感じで、その都度必ず誰かしらが声をかけてくださりまして大変嬉しかったです。

・フィンダーおじさんグッズを身に着けて来場されている方も、昨年同様に多数お見かけしてありがたかったです。まるでフィンおじのフェスみたい!当日に現場で物販があるわけでもないのに、あんなに沢山の方々が自宅から準備してきてくれている事実…震える!

・なんかもう近年のFRENZにおいては、毎回すべてのコミュニケーションを放棄して二階席に引きこもってばかりなので申し訳ない限りです。ただ、声をかけていただく分にはめちゃくちゃ嬉しいので、本当にありがとうございます。

・二回目か三回目あたりの座敷利用時、カレーを注文したばっかりに周囲へカレーの匂いを拡散してしまって申し訳ない気持ちになりました。しかもその時に限って相席になった方が綺麗な女性の方だったので、普段なら超ラッキー!!!!!なんですけど、この時ばかりは「そこはおじさんが来てくれよ!!」と思いました。(何?この話)

・二階席で覇王樹が「今年も84yenと打ち上げ配信するらしいけど、84yenはオープニング制作者だからFRENZスタッフ打ち上げとダブルブッキングになるのでは?」と非常に真っ当な指摘をしてくれました。それに対して84yenは「打ち上げなんて聞いてないし、もしあったとしても何とかするから大丈夫!」と言っており、それを受けてその日の夜に告知ツイートをしたところ、案の定打ち上げがダブルブッキングして84yenが狼狽していました。

この一連の行動を垣間見て、彼が普段どうやって社会人としてやっていけてるのか若干不安になりましたが、恐らくあの日は数多の映像作品を一日で浴びすぎた結果、左脳が一時的に焼死してたんだと思われます。仕方ないね。結局FRENZ公式側の打ち上げが一週間リスケされることで事なきを得たようで、ガチの「前田地生許してくれ」事案が発生したこととなります。まあ、今回さすがに僕は何も悪くない。84yenが全部悪い。ただ、そんな彼の作品は本当にすごいので是非観てください。もう20回くらい見直してます。

・この日はたまたまTwilight_ksさんと一緒に二人で帰ることが出来て嬉しかったです。2022年が不参加だっただけに、2023年の出展者一覧に彼の名前が掲載されていたことへの喜びたるや格別でした。作品も相変わらず良かった……御本人の論理的かつ精緻な作り込みとは裏腹に、僕としては「男の子ゴコロ、くすぐられる~~~!!!!!」というバカの感想しか出てこないのが申し訳ないのですが、本当にいつもそう思ってます。

二日目

睡眠があまりにもヘタクソすぎて、目覚ましセットせずに大量に寝てやろうと思っていたのに5時間で起床。のそのそと出かける準備。イベント開始は18時頃だが、84yenと覇王樹と3人で昼飯を食う約束だったので、明るいうちからさっさと出発。「天下一品で満腹になってから、テルマー湯の岩盤浴で自律神経を整える」という毎年の黄金コースを今年も断行しました。

 

 

二夜

・二階席で「あ、そうか!僕の作品流れるのか!」と自覚しました。隣りに座ってた覇王樹に「当たり前やろ!」と笑われたが、今思うに当日この場になってようやくその実感が湧くという距離感は僕にとって非常に適切だと感じます。

・僕の今年のFRENZに対するテーマは「楽しむこと」でした。このイベントに出展するクリエイター達は口を揃えて言うんです。誰かを刺しにきた、戦いを挑みにきた、と。僕も昔はまさしくそういう気概でイベントに臨み続けてきたのですが、こんなに楽しいイベントを前に、まるで戦場へ赴くような心持ちで肩肘張ってしまうのは勿体ない。だから今年こそ楽しむことを第一に据えました。

・故に、こんな今更なタイミングで「僕の作品流れるのか!」と自覚したのは、裏を返せば「自分の作品が上映されること」に対して無意識的にそこまで重きを置いていない証左になってるのではないかと思いました。もっと平たく言えば、「作品をお披露目する」という自分本意な一点よりも「たくさんの新作映像を鑑賞できる」というイベント全体に対してちゃんとワクワク出来ていることが嬉しかったです。(13回目でようやく得た境地)

・結果的に自分の作品は最後から三番目に上映されまして、かなり終盤だったが故に結局長い間緊張状態が続きました。でもこの緊張状態、嫌いじゃないんですよね~~~~~~。味わわないことには理解いただけないと思いますが、あの心臓が暴れる感じも、胃がキュッとなる感じも、不思議と嫌いじゃないのです!終盤で流れるの最高~!ありがとう前田地生!

・ということで、昨年の「渾身の一撃をお見舞いする」というテーマとは一転して今年は「会場全員をニッコニコにする」だったわけですが、その目的は見事達成しました。嬉しかった~~~!特に印象的なのは、舞台袖で司会のやんわりがもうめちゃくちゃ笑ってるんですよ。今年一番記憶に残ってるの、上映中のやんわりの顔かもしれません。ありがとう!!!壇上で髪の毛青いのネタにしてごめん!似合ってるよ!

・そんなこんなで無事上映され、満足気にヘラヘラしてたら最後に「お前は本当にそれだけでいいのか?」と問いかけてくるような爆弾が投下されました。熊谷芙美子さんっていう方の作品なんですけど………

・当時の感覚を率直に申すと「FRENZに自分の居場所はもう無いんじゃないか」とさえ思いました。正直、「どの口が言うんだよ」という話であることも客観的には自覚しています。ただ、鑑賞直後は心底そう感じました。鈍器で頭を殴られるような衝撃を味わえるのも、良くも悪くも本イベントの醍醐味なんだ。ぬるま湯に浸かり続けてはいけない。会場で観れて良かったです。

・さて、突然の自分語りになってしまうのですが、過去にフィンダーおじさんが「フィンおじクソコラグランプリ」という企画を配信で行ったことがありまして、同企画では多数の視聴者からクソコラどころではない力作が続々と応募されてきました。そしてそこで「総合最優秀賞」を受賞された方と、「クリエイティブ部門 優秀賞」を受賞された方と、「ちゃんと怒られてくれ部門 最優秀賞」を受賞された方が今回たまたま別々にFRENZへ来場されてまして(そんなことある????)そのお三方とそれぞれご挨拶&応募のお礼をお伝え出来たのが今年は非常に印象的でした。当時の応募総数は300件以上あったと記憶してますが、その中でも賞に選ばせていただいた特別な方々がこんな一堂に集結して、直接お礼を言う機会に恵まれるというのが、あまりにも奇跡のような気がして感激しました。

どれもこれも愛が深すぎる!!!本当にありがとうございます!!!

・夜の部と深夜の部のインターバルを使って、覇王樹・84yenと三人で向かいのTOHOシネマズにて涼みがてらホットドッグを食しました。「映画を観ないのにフードだけ購入する」というクソ実績を解除出来てよかったです。

 

二深夜

・多田文彦さんの作品が特に印象的でした。凄く可愛くて、和やかで、胸がぽかぽかして、笑える作品で、僕の胸に深く残り続けています。とんでもなく技術の高い作品なのですが、その「技術の高さ」さえ気にさせずに作品へ集中させるという、更に一つ上の次元を垣間見ました。本当に、ただただ可愛い!楽しい!最高です!!

・最後の部に上映された四天王(多田文彦さん、サイトウユウマさん、yama_koさん、駿さん)の作品はFRENZをFRENZたらしめる作品群で、感謝の気持ちさえ芽生えました。

・FRENZって「毎年同じ会場・同じキャパで開催」「ネット中継なし、現地開催のみ」「来場者の大半がクリエイティブ関係者」という特性(※会場や現地開催は明確な意図をもってのことです)上、外部から見ている分には駄サイクルとの見分けが付きにくいイベントだと思ってます。というか、環境面だけで言えばいつでも本物の駄サイクルになりかねない要素が揃っているとさえ感じています。じゃあそんなFRENZが果たして客観的に駄サイクルなのか否かを決定付ける要素が何なのかと言えば、出展者の心構えや運営の公式見解とかそんなものでは全くなくて、それはもう出展作品の質に他ならないと思うんです。

・FRENZは「出展が公募制」「参加に経歴などの条件不問」という、語弊を恐れずに言うならば玉石混交を享受しているイベントであり、この「石」だったはずの作家が2年、3年と連続出展しているうちに世にも美しい宝石へと磨きあげられて世の中へ「バレていく」姿を我々は何度も見てきました。FRENZのそこが良い。

・ただ一方で「誰もが出展応募可能」というハードルの低さ故に先述したような問題がより近しいものになりかねないところ、他の誰でもない、あの駿さんが、あのサイトウユウマさんが、あのyama_koさんが、本イベントの常連である事実。毎年この舞台で新作をお披露目したいと思ってくれている事実。同じ常連として、なんて誇らしいんだと思います。今年は特にそれを強く感じました。(尚、似たような話をyama_koさんにしたら「俺からしたらお前もその一人だよ」と言ってもらえてめっちゃ嬉しかったです。こういうのを心の奥底にそっとしまうのではなくインターネットで声高らかに自慢するのが僕という人間なんだ。許してくれ。)

・ところで今年の大トリを務めた駿さんと数年ぶりに挨拶したのですが、未だに僕のことを気にかけてくれていて非常に感激しました… 実力的にも存在的にも駿さんは今やあまりにも遠い存在になったものですから、もう僕のことなんか覚えていないのではないかとさえ感じていたものです。にも関わらず、駿さんは昔話に花を咲かせてくれたり、僕の過去作についてお話をしてくれたりして、本当に本当に嬉しかったです。その若さで、その才能で、その技術で、謙虚ってどういうことでしょうか??? 直接ご本人にもお伝えしましたが、こんな僕ですけど是非とも末永く仲良くしてあげてください…(土下座)

 

総括

・楽しかった!それに尽きます。今年のテーマは「楽しむこと」と心に決めていて、こんなに何度も何度も自分へ「楽しむんだぞ、楽しむんだぞ」と意識づけてようやくギリギリ目的達成できたかな?って感じなのが恐ろしいイベントです。事実、僕の周囲からは「負けた!」だの「やられた!」だの「生きててすみません」だの物騒な言葉が聞こえてきましたので。このイベントに勝ち負けないだろ!!(自分に言い聞かせてます)

・この二日間、あまりにも沢山の方々にちやほやしていただけたものですから、そりゃもうめちゃくちゃ嬉しいに決まってます。ですが有名人気取りになってしまうことは一ミリもなく、自身が何者でもない人間であることを自覚し続けることが出来ています。皆様から頂いた嬉しいお言葉をそのまま素直に受け止めることと、自身を冷静に客観視し続けることは両立出来ます。ありがとうございます。

 

・閉幕から数日後に某氏と実施した「被害者の会」と称した打ち上げで飲んだ日本酒が、どう考えても今年一番格別に美味しかったです。何の被害者かは秘匿事項ですが、皆ちゃんとしような。

・今年、(実在しない)切り抜きチャンネルに殺された皆様、来年の作品を楽しみにしております。

・毎年のことながら、当人としては全く無関心であるクリエイティブな趣味に対して肯定も否定もせずに好き放題やらせてくれている僕の奥さんには感謝が尽きません。まあこんなとこに書いてないで直接言えというのはその通りなので、直接言います。

 

以上となります。

来年の抱負とかは特にありません。全ての物事に対してフラットに在りたい。今年は特にそう感じました。ただFRENZを最も楽しむ秘訣は自分も出展者の立場として参加することなので、FRENZを楽しむためにも出展し続けたいな~という気持ちはあります。また来年考えます。

 

ともあれ二日間本当に楽しかったです。お疲れ様でした!